本記事の内容
映画好き建築家の僕が、地下空間が印象的な映画と建築考察についてまとめます!
- 地下空間のタイプ別考察
- 地下空間が印象的な映画11選
本記事を読めば、映画の中の名物地下シーンを知ることができるので
建築・映画鑑賞がもっと楽しくなりますよ!
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もくじ
映画に見る地下空間の類型

ここまでみてきた映画における地下構造をタイプ別にわけてみました。
巨大地下構造タイプ
バイオハザードのハイブ、デイライトの海底トンネルなどのインフラ系です。
災害時のリスクが大きいので、パニック系でもよく用いられるジャンルです。
また、莫大な建設コストが発生するので、ある種荒唐無稽なSF映画などでも
この手の地下コロニーはよく描かれます。
地下都市タイプ
マトリックスのザイオンや、アンダーワルドのライカンの地下都市がこちらに該当します。
止むにやまない理由で地上とは別の文明を築くに至っているケースが多く、
居住や集会など様々な高度な社会機能がそれなりに成立していそうな雰囲気です。
半地下タイプ
パラサイトに登場するのがこのタイプのお部屋です。
光を取り入れつつもプライバシーもある程度保つ、いいとこ取りな地下空間です。
半地下空間では、目線が丁度屋外の足元に行くので、
開口部の設えや、積雪時の窓割れに配慮する必要があります。
洞窟タイプ
室内側表面は土や、岩肌といった自然の姿そのままの地下空間です。
居住には適しませんが、半屋外的利用が可能なので、
ダークナイトの「バットケイブ」などの、地下アジトにみられるタイプです。
地下空間が印象的な映画11選

ここからは早速地下でのシーンが印象的な映画を紹介してきます。
地下空間が印象的な映画11選
- マトリックス リローテッド
- デイライト
- 第三の男
- 大脱走
- イングロリアス・バスターズ
- アンダーワールド
- コロニー5
- スターウォーズ
- ダークナイト
- バイオハザード
- パラサイト 半地下の家族
順番に解説していきます!
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地下映画①マトリックス レボリューションズ
マトリックストリロジーの2番目の「リローテッド」と、最終作「レボリューション」に
登場するこちらの地下の巨大都市ザイオンの光景は圧巻ですね。
真ん中の鉄塔と周囲の住居群の構成は、パノプティコン様式を彷彿とさせます。
これは、中央から全展望で監視するシステムのことで
ジェレミ・ベンサムによって提唱され、彼はこれを刑務所に応用しようと試みました。(実現していません。)
そのご、彼の考えをミシェル・フーコーが『監獄の誕生 監視と処罰』にて展開し、
その後、世界的にも少しづつではありますが事例が出てくるようになりました。
キューバのPresidio Modeloや「破獄」でも登場した
網走刑務所に同構造をみることができます。

いずれ監獄×建築×映画記事を書こうかと計画中です。。
あらすじ(レボリューション)
昏睡状態に陥り、現実世界と仮想世界の間を彷徨っていたネオ。仲間の助力で現実に戻ってきた彼は、ある決心を固め、トリニティーと2人だけで敵の中枢に向かう。一方、人工知能側は、ザイオンを壊滅させるため、センティネルズの大群で猛攻を仕掛けた。迎え撃つ反乱軍は、圧倒的に不利ながらも、モーフィアスたちの確固とした信念のもとに死闘を展開する。そんな中、エージェント・スミスは、人工知能も制御できないほどのパワーを増幅、完全にプログラムから独立し、人類の命運を賭けるネオとの最終決戦に備えていた…。
引用:Yahoo映画
地下映画②デイライト
こちらはシルベスター・スタローン主演の、地下災害を題材にした映画です。
この映画を小学生のときに観て、一時期トンネル恐怖症になったことを思い出します。
トンネルや輸送トラックといった、近代がつくったあらゆる文明機械が、
最悪の条件下に置かれると、こうも魅力的なサバイバルアクションに仕上がるんですね。
ちなみにこちらのトンネルは撮影用に作られているそうです。
炎が上がるシーンなんかはかなり暑そう(シルベスター・スタローンの演技?)で
特撮技術とVFXを駆使していて迫力は申し分ありません。
マンハッタンとニュージャージーをつなぐ海底トンネル内で、暴走車が有毒科学物質を移送中のトラックに激突。大爆破に包まれたトンネルは一握りの生存者を閉じ込めたまま崩落してしまう。偶然、現場に居合わせた元EMS(緊急医療班)チーフのラトゥーラは果敢にもトンネル内に潜入し救出作戦を展開するが……。
引用:Yahoo映画
地下映画③第三の男
僕が愛してやまない名優オーソン・ウェルズが物語の核を担う、
戦後の退廃的なウィーンを舞台にした映画です。
斜めアングルのカメラワ−クや、白黒映像がノワールな雰囲気にマッチしています。
グレアムグリーン原作の完璧なプロットに、見終わった後はしばらく脳髄を鷲掴まれたように
呆然としました。シャープな白黒映像が、ラストのウィーンの薄暗い地下での攻防を
より芸術性の高いものにしています。
撮影に使われたウィーンの下水道は、2500kmにも渡る巨大地下トンネルで、
なんとローマ時代から存在したという記録もあるそうです。
ちなみにオーソン・ウェルズは下水の臭いがきつすぎて代役を多用していたようです。。
参考:Wien.info
第二次大戦後のウィーン。親友のハリー・ライムの招きでこの街を訪れた作家のマーチンは、到着早々、ハリーが死亡したことを知らされる。ハリーの死には三人の男が立ち会っていたと言うのだが、その三番目の男の正体を追って、マーチンは独自の調査を開始する。陰影や構図を凝らしたサスペンス・スリラー。同名のTVシリーズ(主演マイケル・レニー)も製作されている。
引用:Yahoo映画
地下映画④大脱走
僕がまだ年若く、心に傷を負いやすかったころに眠っていた
脱獄映画嗜好の琴線を掻き鳴らしたのが「大脱走」、「穴」、そして「プリズンブレイク」です。
手製トンネルという最小限の地下空間が、最大の自由とドラマと勇気を与えてくれます。
第二次世界大戦下、ドイツのルフト第3空軍捕虜収容所。脱出不可能と言われたこの捕虜収容所から、脱出を試みる連合軍の将兵、ヒルツ(スティーヴ・マックィーン)、ヘンドレー(ジェームズ・ガーナー)、シリル(リチャード・アッテンボロー)らがいた。彼らの計画した脱出計画を基に、前代未聞の、総勢250名にも及ぶ集団脱走が実行されたが……。
引用:Yahoo映画
地下映画⑤イングロリアス・バスターズ
タランティーノ映画特有の、それはまあくだらない、だらだらとした
おしゃべりをポテチと元に数々屠ってきました。そんな中でもこちらの映画には
建築家魂がくすぐられて、思わず手元のポテチが止まってしまうシーンがポツポツとありました。
冒頭の、ランダ大佐がヒロインのショシャナが潜む床下をぶち抜くシーンや、
地下パブでのひりひりとしたスパイ潜入のひと幕なんかでは、
戦時下という特別な状況における地下構造の意味合いを考えさせられます。
1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。
引用:Yahoo映画
地下映画⑥アンダーワールド
吸血鬼と狼男の争いを描いたこちらの映画。狼男<ライカン>のヴィジュアルがいいんです。
冒頭の地下鉄でのバトルにはじまり、ライカンが棲む地下空間での闘いが見どころです。
筋にはいろいろとツッコみたくなりますが、映画美術的には健闘している気もします。
ゴシックなインテリアと地下空間を味わうには◎。
ビルの屋上から楽々と地上に降り立つ一人の美女。彼女の正体は吸血鬼<ヴァンパイア>の女戦士セリーン。ある時、彼女はヴァンパイアの宿敵、狼男族<ライカン>が人間の青年医師マイケルを追いかけていることに気づく。不審に思ったセリーンはマイケルの行動を追跡。そして、彼に直接尋問している最中、ライカンたちに急襲される。セリーンはとっさにマイケルを助けて逃走するが、その直前、マイケルはライカンのリーダー、ルシアンに肩を咬まれてしまう。それは、マイケルがほどなくライカンになることを意味するのだった…。
引用:Yahoo映画
地下映画⑦コロニー5
異常気象で永遠に雪が振り続けてしまった地球で生きるための地下基地<コロニー>が舞台です。
こちらのコロニーはNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)という
実際の基地で撮影されています。下手なSF世界にはない生々しい什器や閉塞感がリアルです。
CGの健闘もあり、途中までは期待感を持って観ていましたが
主人公の鈍行や結末も含め、ちょっともどかしい気持ちになった一本。
雪が降り続き氷河期に入り、人々は地下にいくつかのコロニー<居留地>をつくり生活をしていた。ある日、コロニー5との連絡が途絶え、コロニー7のリーダー格ブリッグスとサムたちは様子を見に行く。しかし、そこには飢えで豹変した人間によって人々が殺され悲惨な状況で…。生きる為に食べるものと生きる為に戦うもの、生存ルールは世界の変化とともに変わる。ジェフ・レンフロー監督によるSFスリラー作品!
引用:「Oricon」データベースより
地下映画⑧スターウォーズ
スターウォーズにも、エピソード6のジャバの宮殿や、
アナキンの故郷タトゥイーンの砂漠の住居といった地下空間が登場します。
こちらは、チュニジアに実在する「マトマタ」という地下住居で撮影されています。
マトマタの急激な気候変化や日差しを避けるのにこちらの地下住戸は都合がよく
地下は通年で温度が一定しているので、冬も保温性に優れ、近年まで住居として使用されていたそうです。
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地下映画⑨ダークナイトシリーズ
ダークナイトに登場する「バットバンカー」は、
天井一面が内照式の光天井で覆われたモダンな地下アジトですね。
他にもダークナイトライジングで登場するバットケイブや、地下監獄<奈落>など
ダークナイトシリーズにはみごたえある地下空間が多く登場します。
CG嫌いで特撮に命をかけるノーラン監督のこだわりが感じられる映像美も必見です。
あらすじ(バットマン・ビギンズ)
クリスチャン・ベールを主演に迎え、バットマン誕生の伝説を描くエンターテインメント超大作。監督は『インソムニア』のクリストファー・ノーラン。リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンなどの演技派に加え、日本の渡辺謙も出演している。ヒロインを演じるのは、ケイティ・ホームズ。人間ドラマにスポットをあてた構成は既存の『バットマン』シリーズとは一線を画す。
引用:Yahoo映画
地下映画⑩バイオハザード
地下施設ハイブの閉塞感と、モダンで無機質な室内とゾンビのコントラストが印象的ですね。
僕は小説版も読んだのですが、設定としては、地下勤務のストレスをハイブ所員が感じないよう、
地上のオフィスや研究所を模してあるそうで、
窓には屋外の風景を模したプロジェクション投影や、車の走行音も再現されているという設定でした。
レーザートラップをはじめてみた時のトラウマは忘れられません。
近未来。巨大企業アンブレラ・コーポレーションでは“ハイブ”と呼ばれる地下の巨大研究施設で秘密裏にバイオ兵器の研究を進めていた。しかし、研究中のウィルスが何者かによって施設内に散布されてしまう。ハイブを管理しているコンピュータは施設外への伝染を防ぐためハイブを完全閉鎖し外部との接触を遮断してしまう。内部調査のためハイブに送り込まれた特殊部隊は、ハイブの出入り口付近で倒れていたアリスを発見するが、彼女は記憶を失っていた。アリスを知る一同は彼女を帯同しハイブへ侵入するのだったが、そこには予想を超える光景が広がっていた……。
引用:Yahoo映画
地下映画⑪パラサイト 半地下の家族
第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた話題作。
半地下に家に住むある家族のお話です。半地下部分に設けられた小窓から外の状況を観察する視点に、
プライバシーを守りつつ、セキュリティにも警戒できる半地下のメリットを感じてしまいます。
このように、自分の姿は見えないけど、相手の姿は確認できるという状況は、
「眺望−隠れ場理論」と呼ばれていて、人間が住環境を求める一つの本能的な指標であるとされています。
半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。
引用:Yahoo映画
まとめ

映画の中の地下空間には、壮大な世界観を描くものや、
地下ぐらしの日常をきりとったものまで様々ですが、
どれも、映画作品の印象を決める名シーンが多いことが分かりましたね。
当ブログでは、他にも映画好き建築家の僕が
独自の視点でおすすめ映画を解説しています!
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