
そんな疑問にお答えします。
今回は、建築と映画が何やら関係がありそうだ、、と感じてきた建築初学者の方や、
映画好きの方、映像関連の方にもおすすめしたい
建築と映画について書かれた書籍をご紹介していきます。
もくじ
【建築×映画×本】読んでおきたいおすすめ6冊

それでは早速見ていきましょう。
僕がおすすめしたい、建築×映画についての本は次の6冊です。
それでは順に見ていきましょう。
1.映画的建築/建築的映画
著者 | 五十嵐 太郎 |
ページ数 | 302ページ |
出版社 | 春秋社 |
出版年 | 2009年 |
すぐれた映像クリエイターたちはみな、「建築家」だ!ありえない空間から立ちあがるリアルとは。建築の本質にせまる、野心的な映像メディア考。
引用:「BOOK」データベース
映画的建築/建築的映画の見どころ
見どころ
- 古今東西の幅広い映画ジャンルを建築視点で考察した一冊
- 豊富な建築,映画,美術の引用から、雑学的に映画と建築を学べる一冊
著者の五十嵐さんのご専門は建築史で、東北大学で教鞭をとられています。
五十嵐さんはその数々の著作からもわかるように、
建築以外にも、美術、映画、漫画、アニメなどとても幅広い知識を持たれています。
そんな五十嵐さんが手がける本書は、こちらの建築×SF映画記事でも紹介している
「ブレードランナー」や「ロスト・エモーション」のリドリー・スコットをはじめとして、
宮崎駿、 小津安二郎、 手塚治虫、宮崎駿、押井守 、、、と、
ハリウッド映画からアニメまで幅広い実作から
ひたすら建築と映画の関係について考察していく挑戦的一冊です。
博識顕学の五十嵐さんのニッチで有益なレファレンスの殴打に
映画関係者も、建築関係者もどちらにとっても興味深いこと間違いなしです。
2.建築映画 マテリアル・サスペンス
建築家・鈴木了二は、建築・都市があたかも主役であるかのようにスクリーンに現れる映画を「建築映画」と定義します。「アクション映画」、「SF映画」や「恋愛映画」といった映画ジャンルとしての「建築映画」。この「建築映画」の出現により、映画は物語から解き放たれ生き生きと語りだし、一方建築は、眠っていた建築性を目覚めさせます。
鈴木は近年の作品のなかに「建築映画」の気配を強く感じると語ります。現在という時間・空間における可能性のありかを考察するために欠かすことができないもの、それが「建築映画」なのです。ヴァルター・ベンヤミン、ロラン・バルト、アーウィン・パノフスキーやマーク・ロスコの言葉にも導かれながら発見される、建築と映画のまったく新しい語り方。黒沢清、ペドロ・コスタとの対話も収録。
引用:LIXIL出版
建築映画 マテリアル・サスペンスの見どころ
見どころ
- 建築視点で語られる様々な映画の中の場面や空間
- 芸術論や撮影技術についても述べられた幅広い論考
- 著者鈴木亮二氏と黒沢清氏,ペドロ・コスタ氏の領域横断的な建築×映画対談
建築家でありながら、絵画や彫刻、アートまで多様なフィールドで
「物質試行」と名付けた独自の活動を展開する鈴木亮二さんによる一冊です。
こちらの印象的な表紙も、鈴木さんの作品のドローイングによるものです。
本書は、名建築がたくさん登場するような本ではありません。
どちらかというと、一般的にはあまり知られていない映画がたくさん出てきます。
鈴木さんの哲学的な文章もあって、少し小難しい感じも受けますが
建築と映画を敷衍するテーマがじわじわとあぶられてくる感覚は
建築、映画フリークにはたまりません。
3.映画にみる近代建築
著者 | ドナルド アルブレヒト (著), Donald Albrecht (原著), 萩 正勝 (翻訳) |
ページ数 | 262ページ |
出版社 | 鹿島出版会 |
出版年 | 2008年 |
大衆の夢をデザインしたモダニズム。スクリーン中の都市は、人々の希望としての未来像。映画セットは建築家の実験舞台でもあった。ミース、コル、ライトらを160点余りの画像で検証する、建築のメディア論。
引用:「BOOKSデータベース」より
映画にみる近代建築の見どころ
見どころ
- 1920ー1930年代の近代建築隆盛期の振り返り
- 映画セットと建築という関係の考察
- 近代建築を映画という切り口で解き明したユニークな論考
今日では町並みのほとんどを占めるモダニズムのハコ建築ですが、
同時代に急激に一時代を築くメディアとなった映画とも
関係ないわけがありません。
ふんだんな写真資料のおかげもあって
近代という時代にどっぷりつかってみるには最適な一冊です。
当時のハリウッドの配給会社ごとの装飾性の特徴も分析されていますし、
映画に欠かせないセットなどがいかに近代建築と共鳴していたかという
建築アドホックなめずらしい論考が魅力な、まさにSD選書な一冊です。
4.表現空間論-建築/小説/映画の可能性
著者 | 鈴木隆之 (著) |
ページ数 | 384ページ |
出版社 | 論創社 |
出版年 | 2017年 |
社会が成長を終えた現代に、新しい空間の創出は可能か? 建築や小説の概念を「想像力」で組み替えることで、両者の新たな可能性を開拓する。現実的な空間を建設する本来の意味としての「建築」だけでなく、小説や映画におけるフィクショナルな空間の「設計」の事例を検討しながら、その可能性について探る。
引用:「BOOK」データベース
表現空間論-建築/小説/映画の可能性の見どころ
見どころ
- 建築/小説/映画の構造的類似を解く野心的試み
- 英語の勉強にもなる対訳の英語テキスト
- 小説家としての顔を持つ著者の詩的な文体
建築家でありながら、小説家として群像新人賞を受賞した経歴を持つ
スーパーマン鈴木隆行氏が著者です。
建築をつくりながらも、ことばの建築家でもある鈴木さんの
語りかけてくるようなエッセイと、圧倒的英訳が
なんとも奇妙な一冊です。
本好きな僕としては、むしろ小説と建築との関係について、
川端康成の「雪国」の考察なんかを食い入るように見つめてしまいました。
こちらの出版は2017年と以外と最近の本なのですが、
国立問題で話題の渦中にあったザハさんについても現況されていました。
5.映画空間400選
スクリーンに映る建築や都市、場所、風景、そしてそこでの人物の躍動、生きた空間......。映画の空間は、19世紀末の映画誕生から私たちを刺激し、憧れを抱かせ、ある時は考え込ませ、ある時は勇気づけてきました。
本書は、この空間という切り口で、映画史115年を横断しながら作品の紹介・解説をする「映画と空間の基本書」です。1895年から2010年までの400本の映画作品紹介と、空間に関するキーワードをめぐってのコラム、充実の年表と資料編も掲載。執筆陣は、建築家、映画監督、小説家など、映画の作り手や専門家、また各分野の無類の映画好きたち。映画の空間を考えることで、映画の見方や建築・都市・場所・風景の読み方が豊かに広がっていくことを目指した一冊です。
引用:LIXIL出版
映画空間400選 のみどころ
見どころ
- 1895年から2010年までの400本の映画読解
- 計23人の建築家、画家、評論家による映画-空間考
- 「空間タイポロジー」で読み解く映画
個人雑誌「建築と日常」の長島明夫さん と、「nobody」編集長 の 結城秀勇 さんの
二人の巨大な建築×映画脳によって編集された、空間をテーマにした重圧な映画考です。
題にもなっている、メインの『400選作品紹介』では
計23人の現役 画家、建築家、小説家、映画評論家などのクリエイターが
製作年代順に映画作品を紹介していきます。
こういう建築と映画に関する百科事典的な本はこれまでになかったので
次に何の映画を観ようか迷っているという方にもおすすめできます。
6.映画の間取り
著者 | WOWOW「映画の間取り」編集部 (著) |
ページ数 | 199ページ |
出版社 | 扶桑社 |
出版年 | 2016年 |
「あの映画の間取りに住んでみたい」そんな夢をかなえる不動産屋へようこそ!一級建築士が監修!人気アプリ待望の書籍化。名作から最新作まで全40件を収録!
引用:「BOOKデータベース」
「映画の間取り」の見どころ
見どころ
- 古今東西40作の映画に登場する建築、セットの平面図
- 一級建築士監修のわかりやすい解説付き
平面図を眺めるのが好きだ。という方は世の中に意外と多いのではないでしょうか。
そんな平面図好きにはたまらないの本書です。
ピーター・パーカーの部屋/『スパイダーマン』 , ホリー・ゴライトリーの部屋/『ティファニーで朝食を』 , ジェイ・ギャツビーの寝室/『華麗なるギャツビー』 , 武田観柳邸/『るろうに剣心』 ....
と、40作を越える映画の中の空間が、平面図化されて収録されています。
気に入った作品の平面図が収録されていれば、
本書を片手に、楽しんでみるのもいいでしょう。
まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はおすすめの建築×映画本をお勧めしてきました。
以下にもう一度まとめておきます。
この記事を読んでとりあえず建築に関係しそうな映画を観ておきたい!
という方はこちらにも記事を書いていますので是非ご覧ください。
今回は以上です。最後までご覧頂きありがとうございました!